就職するのは個人店をおすすめしたい件。
学校を卒業して初めての一人暮らし。
一生懸命に勉強して国家資格である製菓衛生師を取得するぞ!
と家を出てから、親元を離れての一人暮らしや寮生活で不慣れなところもたくさんあるのではないでしょうか。
学校に入学して慣れてきた頃、先生に言われることは就職についてです。
就職率が高い学校に入学すると、必ず言われるのがどこに就職したいのかということ。
個人店とホテルのどちらに就職したいのか、アンケートを取られます。
学校側からしてみたら、有名ホテルへの就職する学生が多ければ多いほど学校の知名度が上がります。
そのため、優秀な生徒ほどホテルへの就職を促されるのではないのでしょうか。
将来お店を持ちたい夢がある。就職は別にどちらでもいい。有名ホテルで修行できるのなら有名なホテルに就職したいという方も多いと思います。
超超個人的な意見ですが、私は将来お店を持ちたいなら個人店をお勧めします。
個人店就職をお勧めする理由
- 給料が変わらないのだったら、何でも短期間で経験できる個人店
何度かこのブログでも紹介していますが、パティシエの初任給は13万ぐらいが普通かと。
時給計算であったり、例外もあります。
超有名ホテルに就職した同級生の初任給も同じくらい。
田舎の洋菓子店に就職しても都内や大阪、大都会の超超有名ホテルに就職しても、初任給はさほど変わりません。
それが普通。
今ではどうなっているのか分かりませんが、きっとそこまで変わっていないのではないのかなぁと思います。
後で仕事内容に触れていきますが、ホテルの仕事は厨房で下準備の仕事多いです。就職してすぐにケーキを焼くなんてことまずないと聞いています。
一方個人店では、初仕事からカスタードクリームの作り方を教わります。
お店によって方針は違いますがホテルでの仕事と比べると、明らかに初めからいろんなことをやらせてくれます。
というか、やるしかない状況。
だから個人店をおススメします。
2、お客様に近い
忙しい時にはお店に立つことがあります。
時には何を聞かれても分からないことが多いのに、電話に出てくれと言われて出る時も。
それもお客様を観察することができる貴重な時間です。
どんなところに目線がいってどんな人がどんな商品を何のために買ったのか。どんな時間にどのくらいの量を。その時の天気は気温は季節は、情報はいくらでも取り入れられます。
電話にしてもどんなことを聞かれたのか。(以下同上)
これらは厨房でいくら仕事をしても知ることのできないお客様の生の声であり、直に聞くことのできないことです。
どんな時にどんなものが売れるのかが勉強になるので、その積み重ねが自然とお店経営に役立つのです。
就職活動するなら夏がおすすめ
個人店に就職を決めたら、就職活動ですね。
活動時期は断然夏です。理由は暇だから。
夏休みに入ると少しバタバタするかもしれませんが、洋菓子店でも夏にかき氷を出すお店があるのはそうやって少しでも多くのお客様を呼び込もうとしているからです。
忙しい猫の手も借りたい時に履歴書を持っていっても聞きたいことを聞けないし、話もしてもらえないかもしれません。
できれば夏の暑い時期に活動をしたいものです。
ただし、個人店では夏でも手が足りないこともあるので事前に電話で確認することも忘れずに。
夏休みにバイトとして雇ってくれるかもしれません。
どんなバイトでも個人店であれば、後の就職に役に立ってくるはずです。
注意
お店によってはジャパンケーキショーなどのコンクールに力を入れているお店があります。
コンクールを目指すことが間違っていると言いたい訳ではありませんが、売れるお菓子とコンクールで優勝するお菓子は違います。
コンクール入賞経験がないので説得力はあまりありませんが、コンクールで上位に入賞するには審査員の好みに合わせる事が重要です。
自分がコレだ!という確信があってそこに近づけるようにどんなに美味しいケーキを作っても、どんなに見た目が美しいケーキであっても審査員の心に響かなければ優勝できないのです。
コンクールに出場することによってたくさんの経験をすることはできます。
技術はもちろん、時間の使い方や流れや決まりなど出場しないと分からないことを経験することができます。
これまで約6年間、菓子屋として経営をしてきた経験上ではお客様はコンクールに入賞しているからといってそのお菓子を買う判断材料にはならないと思います。
ただ、それがキッカケの一つにはなります。
どんなに有名な賞をとっていても、その人が今食べたいものではない時、欲しいものではない時があります。
コンクールで優勝経験があるからといってお店を開業できるわけでもないし、開業できたとしても長く続けることができると保証されてるわけでもありませんし、そこに必ず利益が残るとも言い切れない。
将来は自分のお店を持ちたいと思っている人が考えていることは、まずは修行ですよね。
個人店でもホテルでもまずは就職して自分の技術を向上させて経営というものを学ぼうと考えているかと。
有名ホテルでも、シェフにお店経営を任せているホテルなどもありますから調べてみるといいでしょう。自分の好きなシェフがいるホテルならそのシェフの元で働けます。
もちろん、学びたいものが学べないのならどこに就職してもすぐに転職するのもありです。
コンクールに出るとしてもお店や通常の仕事をしながらのコンクールの準備になりますから、とてもハードになってきます。
時には同期が早く帰った後に、残業代の出ない居残をすることもあり得ます。
やる気が出ることだからこそ成長できる、やり遂げられる。
経営をしてきて思うことは、どんなことでもやる気がなければできないことが多いということです。
あまり売れない商品だけど、待ってくれているお客様がいるから作ろう。
手元に残るお金のことを考えたら、少ない時間でたくさん作ることのできる違うものを作った方がいいのに、お客様が喜んでくれるのでこれだけは作り続けたい。
手間がかからずたくさん作れて超売れる商品があったら最高なんですけどね。
要は、自分が何を学びたいのかを学校に通っているときから明確にしておくことが大事です。
コンクールで優勝してみたいなら、優勝経験やコンクールに力を入れているところに行けばいい。
自分のお店をもちたいなら、自分の理想のお店に少しでも近いお店に就職すること。(自分の理想がまだ決まっていない場合は開業したい場所のお店に就職する)
あるいは、憧れのシェフやオーナーのお店に行く。
大学に似ていますね。
この人の元で学びたいと思うところに行くこと。
まずはやる気重視でいきましょう。
骨を折るわけではないけど、初就職でうまく仕事ができる人などそう多くありません。
ましてやパティシエの仕事は本当に大変。
個人店とホテルの違い
最初は先輩の仕事を手伝う程度ですが、だんだんと残業しないように少しでも早く帰れるようにするにはどうしたらいいのかを頭フル回転で考えます。
材料の発注から清掃、整理整頓、在庫管理、商品の製造はもちろん、新商品の開発や接客、電話対応まで
個人店に就職すると、あるとあらゆることをテキパキとこなすチームワークが必要とされます。
それにはコミュニケーションは必須ですし、ときにはオーナーに意見を出すことも必要。
一方でホテルの仕事は、とにかく数が多い。
個人店でもいちごのヘタを一日で16パック取ることありますがホテルの場合だと想像もつきません。一日中朝から晩までフルーツの皮むきをして終わることなんてざらにあると思いますよ。
それが役に立たないわけではないけど、経営に直接役立つかというと難しいですね。
フルーツを一日1000個剥いてきたオーナーの作るフルーツ盛り!みないなキャッチコピーだったら売れるかもしれませんが。
個人店経営に向いているひと
自分の意見はっきりと言えないんだけど、自分の意見をしっかりと持っている人
一つのことに没頭できて、切り替えが早い人
吸収力があってユニークな人
心配性なんだけど責任感はある人
忘れん坊さんだけど全体的に周りを見れる人
開業するにあたって、後のことを気にしすぎたらいつまで経ってもお菓子屋さんなんてできません。
私なんかこんな感じでよくここまで約6年間やってこれたなと思います。有名店で働いたわけでもないし、コンクールで受賞経験もないし、渡仏経験もない。
ただ、焼き立てのお菓子を届けたいという気持ちは強くありました。
長く続けてこれたのはお客様がお店に意見を出してくれてそこに近づけるようにいろんなことに挑戦してできて、そこに周りの支えがあったからこそです。
特に女性の場合は開業が難しいと言われがちです。結婚して出産すると自分の時間が少なくなりお店に回す時間が少なくなるのが原因だと思います。
しかし、そんな女性だからこそ営業の時間を少なくしても分かってもらえると思います。
結婚したから、子供がいるから、開業できないなんてことはありません。全てはどうしたらできるのかを考えてそれを実行に移して徐々に調整していくこと。
失敗なんて山ほどあります。
学校に在学中に、先生が失敗することだってありますよね。みんな同じです。
個人店、ホテルに就職したから失敗だったなんてことはありません。健康的にやりがいのある仕事ができればそれでいい、私はそう思います。
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