自分が笑顔になれるもの

夢中になれるものを見つけました

将来は世界中で美味しいお菓子を提供したい。

ひそかにそんな夢を抱いています。

大企業で工場が海外にあって、日本で稼いで海外進出というような大きな夢ではありません。

小さいけど、本当にやってみたいこと。

収益ではなく、自分がやりたいこと。

夢中になれることです。

少し長くなりますが、そんな密かな夢を抱くまでの経緯を説明したいと思います。

十何年も前の事です。

まだ学生の頃に親戚が住んでいたベトナムに旅行に行きました。

目的は祖母達を無事にベトナムの親戚のところまで届ける事。

私は通信制の高等学校に通っていたため、付添いとして行くことに都合が良かったのかもしれません。

通信制の学校は夏休みが2ヵ月ぐらいあって、決められた日曜日にしか授業が行われないから。

当時60代の女二人が訳も分からずベトナムに行くのは不安だったのか、私以外の人は仕事で行けなかったのか分かりませんが。

付き添いとして声がかかり、すぐ行きたいと返事をしたのを覚えています。

学生でしたから、まだまだ怖いもの知らずですね。

さて、私にとっては初めての海外旅行でした。

まずはパスポートを取得。

学生の私には痛い出費でしたが、学校のない日はバイトをしていましたので、普通の高校生よりはお小遣いが多かったと思います。（笑）

そしていよいよ出発。

田舎に住んでいましたから、東京駅から別世界のようでした。

そんなこんなで無事にベトナムの親戚のところまで到着。

そのころからお菓子に興味があったので、ベトナムではどんなバースデーケーキを食べるのかと聞いた記憶があります。

しかし、今は普及しているかもしれませんが当時は冷蔵庫が一般的ではなく、保存できないため生クリームはないと。

売っているスーパー的なものはあるけど、高価だし、買える人は限られている。

地元の人はほとんど買わないだろう。

との答えでした。

それを聞いて少し寂しい気持ちになったのを覚えています。

学校の授業や、テレビ、団体の活動などで世界では貧しい暮らしをしていて

日本とは文化の違う国がたくさんあるということを知らない人はいないと思います。

それを実際に目の当たりにすると、本当にあるんだ、これが教科書やテレビで見ていた世界なんだと衝撃を受けました。

そして同時に、私の知っている美味しいお菓子をこの国の人にも食べてもらいたいとそう思ったのです。

とはいっても、一学生の私です。

そんな力はありませんでした。

出来る事といえば、お菓子を作ることだけ。

お菓子を作りたい！と親戚に話すと協力するよと言ってくれました。

日本の食材が売っているスーパーなどに立ち寄ってもらい、ケーキの材料を買って家で作りました。

そして、お隣さんにおすそ分けすることで終わってしまいました。

気づいたのは、機材がないと日本の洋菓子と言われるものは作れない。

もしかしたら、機材が無くても作れる方法はあるのかもしれませんが、その能力はもちあわせていませんでした。

卵を割っても、泡立てるものがないとふわふわにできない。

運よく箸などで泡立てることができたところで、オーブンが無いと焼けない。

焼けて、バタークリームを塗って食べる。

もしこれがバースデーケーキだったとしたら、ろうそくが欲しいし、ライターが無いと火もつかない。

お皿でとりわけたいし、一緒に頂くお茶が欲しい。

日本で当たり前にしていたことが、こんなに恵まれていたものだったということを痛感しました。

一緒に住んでいたおばあちゃんが、誕生日ケーキの箱をいつまでも丁寧に取って置いていたり、

使わなかったろうそくがいつまでも置いてあったり。

箱折の包装紙を丁寧にはがしてたたんで置いてあったり。

ふと思い出しました。

今の日本は、手に入れられないものがない。

それも安く容易に手に入る。

だから、今そんなことをしたら貯まっていく一方ですが、おばあちゃんにとっては当たり前の事で。

昔は大変だったんだなと思いました。

次回に続く。

今の自分はこれまでの自分が全て作ってきたのだとつくづく感じます。

学校に行かないからって人生が終わるわけじゃあない。

不登校、いじめ、浪人、フリーター、離婚、介護、大事な人との別れ、孤独。

人生は100年あります、その中の100年全てが最悪な訳ではない。

私は恵まれた環境で育ってきたので、辛い人生を歩かれた方の気持ちが分かる訳ではありませんが、助けたいという気持ちはあります。

悩んでいる人、落ち込んでいる人、頑張っている人、なかなか思うようにいかない人

そんな少し元気がない方にお菓子で笑顔にしたい。

少しでも元気を取り戻してもらいたい、元気を取り戻すきっかけになれれば。

そう思っています。