菓子店Aと菓子店Bどちらを目指しますか
A 大量に作って売れるだけ売るシステムを作る。
B 決められた数だけを売っていく
こんにちは。
菓子店を経営している私が感じた2択について今回は記事にしていきたいと思います。
Aはたくさん作ってあらゆるところに卸して催事にもだして
等々とにかく量を作って売る感じ。
名の知れたお店でなくても、工場で作ったものを菓子店に卸しているところがたくさんありますよね。
そんなイメージです。
中身の菓子は同じで、包んである袋、あるいは掛け紙やシールが違うだけということ。
Bは一日の作る数を限定し、決められた数だけを売っていく感じ。
個人店のパン屋さんとか、洋菓子店のショーケースの中のショートケーキなどが当てはまります。
私のお店はBで、一人で作って一人で売るスタイルなので大量生産できない。
大量生産できなくはありませんが、そんなに作っても売れません。
これは売り方にも問題があります。
私のお店でももっとたくさん作ってもっともっと売ってお客様みんなに菓子を届けることは可能です。
やればできると思うけど、今はしません。
(その力がないといったほうが正解かも)
よっぽどお店のファンの方がいて働きたいとか、(ちょっと夢見てみました)
遠くにいる親せきがいる土地であなたの商品を売りたいとか、
兄弟がやってきてもっと本気でやろうと新しいことに挑戦するとしたら飛びつくかもしれませんが。
私の幸せは、焼き立ての菓子をお客様に提供してそのお客様に喜んでもらうこと。
それでお店のための勉強ができて、生活できて、たまに息抜きをして息子と生活していければいいかなと。(実家暮らしです)
欲がないようですが、そうではありません。
今のままの生活で十分有難い生活を送れているので
この生活を壊さないように毎日考えて改善していくところは改善して
より良くしていくにはどうしたらいいのか。
それをいつも考えています。
これはあまり良くなかったかなと反省し、もっとこういう事をしてみたらどうだろうと検証し、実行していくの繰り返しです。
大きい挑戦はたまにしかしなくても日々、小さな挑戦はしています。
以前の記事でも話題にしましたが、自分の幸福度は大事です。
私の場合は焼きたての菓子をお客様に提供して喜んでもらうこと。
これが実践できるようにお店を経営していかなければいけません。
どんなことを選択するときにも、まずはここがポイントになっているのです。
大量に作って売り上げも上がり、喜んでくれるお客様が増えて、良い事じゃないかと思いますよね。
その通りだと思います。
しかし、私の場合無理をしたせいで体を壊し、育児家事もろくにできず、今でも体調と闘いながら生活しています。
同情してほしいのでも何でもなくて、本当に無理を続けていくと何が幸せか分からなくなってくるのです。
立地が悪いお店にわざわざ来てくれるお客様のために何もないでは帰せない。
でも、そのために体を壊すのはどうかと思い始めたのです。
始めはお客様を獲得するのにとにかく必死でしたし、体を壊してでもお客様のために働こうという気持ちでした。
お客様もそこまで自分の菓子が食べたいとは思わないよ。
ある時、気づきました。
変わりの菓子店はいくらでもありますし、近くのコンビニに行けば美味しい手の凝ったスイーツが食べられますから。
一日に製造できる数を調べる
菓子店、パン屋さん、クッキー屋さんとかなんでもいいけど、食べるものをお持ち帰りで販売する小売業を開業する場合、
まずは自分がどれぐらいの数を一日に製造できるのかを想像してみましょう。
設備があれば、実際に一日働くシュミレーションをしてみてください。
そうすれば一日に作れる数が決まり、値段設定や原価設定ができてくると思います。
私は開業前にこの作業をしてきませんでしたので、一日に作れる数を通り越して
限界以上働いて後悔しました。
オープンの時は忙しいのは当たり前かもしれませんが、体を壊しては誰も幸せになれません。
ただ、痛いだけの菓子屋になってしまします。
売れすぎてなくなった店と伝説を残すより、いつも美味しいものを提供して賑やかになった方が
近所の方にも喜んでもらえるし、自分の居場所が見えてきます。
まずはどんな時に自分は幸せだと感じてそれを維持していくためにはどうしたらいいのかを考えてみるといいと思います。
菓子店AもBも良い、悪いはない
Aの大量生産の菓子を作るには相当な上記のような緻密な計算が必要になってきます。
ひとりでどうにかうまくやることもできるかもしれませんが、誰かの力を借りなければいけない事は確実です。
それだけの設備を設けるために資金が必要ですし、お金があっても計画が未熟だと失敗します。
失敗を恐れないことは大事ですが、失敗を回避するために恐れることは大事です。
でも、失敗しても切り抜けられる方法はいくらでもあるので
1人で年商一億を目指してみるのも面白いかもしれません。
A年商一億にせよ、Bにせよ、作れなければ話になりませんので
一日でどのくらいの量を作れるのかを実験してみてくださいね。
参考までに
私の場合一日の製造数は大体80個~90個程度です。
多いときは350個焼き上げます。
開きがあるのは予約があるのかないか。
予約が多ければその分多く焼いているからです。
だから予約がない時は売れても90個ほど。
そういう少し時間があるときに家の事をして幸せを感じ、
予約が多い時にはお客様のためにせっせと菓子を焼いて忙しさに幸せを感じる。
どちらが無くなっても私の幸せはありません。
こんなふうに差があると、自分でも改めて自営業って大変だなと思いますが
だからやりがいがあって
今、楽しいです。
そしてもっと楽しいことも模索中です。
プレッシャーも不安もありますが、時にはつぶされながらも少しずつ強くなっているような気がします。
こんな弱い自分だけど、みんなに支えられて今のお店を運営できています。
幸せだらけの人生なんてない。
だけど困難ばかりの人生もない。
自分は日本で生まれて恵まれて生活してきて、自分の好きなことを仕事にできているのでとても幸せ者だと思います。