銀行からの融資失敗した事業計画書の項目
融資に成功した事業計画書の項目
計画書をつくるにあたって大事だと思うこと
お店開業に向けて予算が分かったら、次にすることはなんでしょうか。
やっと作るもの、売るものが決まって予算が決まった。やっと一仕事終えて少し楽になってきたところ。
予算を出すってとても大変ですよね。毎日得意でもない数字を並べて合っているのかも分からない計算を続ける日々。
本当に大変なことです。
このあたりで一息ついて、お店の開店までもうひと踏ん張りできるように力を充電したいところです。少し休憩したら、また頑張りましょう!これからまた数字との闘いが始まります。
今回は事業計画書についてです。
約7年前。開業したいけど、自分で用意できるお金が少ないのでどうにかして工面しなければと、銀行に行きました。
その時に初めて聞いた事業計画書という言葉。お店出そうとしている人がそんなことも知らなかったのかよ。と笑われてしまうかもしれませんが、本当に知りませんでした。
事業計画書ってなに?何となくわかるけど、事業の計画書?どうやって作るのだろう。そこからまた数字との戦いがはじまりました。
ネットで検索すると、なんとなく出てきましたのでその通りに自分のお店に当てはめて作成し後日銀行に持っていきました。
その時の内容を紹介したいと思います。
銀行からの融資失敗した事業計画書の項目
融資をしてもらいたいと初めて行った銀行でもらった事業計画書の様式一枚。
- 創業の動機
- 経営者の略歴
- 取扱商品とサービス
- 取引先
- 従業員
- 必要な資金と調達方法
- 事業の見通し
- 借入の状況
今でも、一番最初に計画した事業計画書が手元にありますが、計画というよりただ空欄をうめただけ。率直にいうと、これじゃあお金貸してくれないよね。こんな計画書を出したのかと思うと今でもとても恥ずかしくなります。
(この事業計画書を提出した銀行ともうひとつの銀行2つの銀行から融資を断られました)
銀行だって馬鹿じゃないのだから、返せなそうな人には貸せない。はっきり断られます。その場では言葉を濁して融資出来ないとか言われたと思います。
なぜ銀行はお金を貸してくれなかったのかを自分なりに分析すると、自分の中ではやりたいことはハッキリしていたはずなのに、自信がなかったり利益を考えたりしてやりたいことに焦点をあてて計画できていなかったのが原因だと思いました。
また、自分が売る側の立場になって考えていただけだった。もし、自分がお客さんだったらどんなお店だったら行きたいと思うのか。
ということや、どんなセールスポイントを出されたら心に残る言葉になるだろう。等と客観的にとらえることができていなかったように思います。
では、どんな事業計画書を提出して銀行の融資を受けることが出来たのかをご紹介していきたいと思います。
枚数にしてA4用紙で44枚。
全27項目です。
黒字の部分を後述で紹介しています。最後に計画書をつくるにあたって大事だと思うことを考えました。
融資に成功した事業計画書の項目
- 創業の動機
- 取得している資格
- 職歴
- 家族構成
- 事業を行う場所
- 事業を行う場所の地図
- 取り扱い商品とサービス
- 商品の写真(チラシ)
- 販売先、取引条件
- 取引先情報
- 事業の見通し1カ月と月平均
- 軌道に乗った後の事業の見通し
- 事業の見通し直近三カ月経費別
- 売上目標年間
- 仕入れについて1か月分
- 原価原材料のみ
- タイムスケジュール平日と休日
- 年間イベント予定表
- 集客方法
- 集客方法の具体的案
- 地域の菓子や一覧表
- 自店のお菓子について
- 集客予定地域の人口統計
- 店舗イメージ画像とモデル店
- 販売方法の具体案
- 商品概要シート商品別
- 必要な資金内訳
創業の動機
進学の際、将来はおかしの世界に入りたいと専門学校に入学し国家資格である製菓衛生士取得。将来の夢は焼き菓子屋さん。卒業して和洋菓子店で修業し、できたてのお菓子の販売をしているお店は少ないことを実感した。同時にお菓子によって味が馴染んでから美味しいもの、1か月寝かせて美味しくなるものもあることを勉強しました。フルーツと同じようにお菓子にも食べごろがあると考えそのお菓子に合った一番美味しい時期を提供したいと思いました。修業のために地元を離れ、帰省した際などには地元の良さを改めて感じ、将来はこの土地でお店をやりたいと思い開業を決意しました。近所に菓子専門店は一軒しかないので近所の方に親しみのある名前で将来は和菓子の経験を活かして和菓子を近所の方が今食べたい菓子を作り配達までやりたいと考えています。
13,事業の見通し直近三カ月経費別
10月目標 | 11月目標 | 12月目標 | |
売上 | 315,000 | 226,600 | 439,650 |
原材料仕入れ | 93,080 | 55,000 | 85,000 |
資材仕入れ | 40,000 | 40,000 | 40,000 |
宣伝広告費 | 10,000 | 10,000 | 10,000 |
光熱費 | 23,000 | 23,000 | 23,000 |
サーバー代 | 7,200 | 7,200 | 7,200 |
消耗品費 | 5,000 | 5,000 | 5,000 |
返済額 | 17,000 | 17,000 | 17,000 |
売上―経費= | 119,720 | 69,400 | 252,450 |
14,売上目標年間
売上 | 売上内訳 | 比率 | |
10月 | 315,000 | 11.9 | |
11月 | 226,600 | 8.5 | |
12月 | 439,650 | 16.6 | |
1月 | 170,100 | 6.4 | |
2月 | 195,300 | 7.4 | |
3月 | 186,300 | 7.0 | |
4月 | 162,000 | 6.1 | |
5月 | 251,160 | 9.5 | |
6月 | 126,720 | 4.8 | |
7月 | 120,960 | 4.6 | |
8月 | 287,500 | 10.8 | |
9月 | 170,100 | 6.4 | |
合計 | 2,651,390 | 100 |
計画書をつくるにあたって大事だと思うこととは
1人でできる最低限の設備での事業計画書です。倍の融資が必要であればもっと計画を立てるべきであり、小さく始めたとしても年間の売上を2000万円、3000万円と大きくしていくのであれば途中で資金が必要になってきます。
私の場合のお話ではありますが、生もの(日持ちのしない菓子)をひとりで作って一人で売るには限界があります。
これまで約年6年間経営してきた経験上、年間の売上が1000万円ぐらいであればそこまで苦しくなく一人で達成できる金額だと思いますが、その先を見込むのであれば最初は小さく始めても後から設備投資をしたりする計画が必要です。
1人で作ってひとりで売る場合の一年間の売上限界は1000万円。とはいっても取り扱うお菓子やお客様一人当たりの単価、利益がどのくらい残るのかによっても金額は違ってきます。売り上げが年間1000万円あったとしても、一日12時間労働で休みもろくになくて利益が半分だったら長く続かないでしょう。
逆に、半分の売上でも利益が90%残れば一日6時間ぐらいの労働でも同じにはなりませんがさほど変わらないくらいの利益が手元に残ります。
人間は機械ではありません。同じ作業の繰り返しばかりをしていたら飽きるし、疲れてしまいます。だから、一人で作って一人で売るには限界があります。
利益を最優先するべきではないと考えますが、コンセプトからはブレずに利益を計算しておくことも重要です。一日作れる数を計算し、しっかりと原価計算をしたうえで利益がどのくらい残るのかを計算すること。
どんなに忙しく働いてもそれが誰かのためになったとしても体を壊してしまっては苦しいです。できれば事業計画書を作成するタイミングで一日何個まで作ることができるのかを決めてタイムスケジュールを考えることをお勧めします。
小さく始めてその後もっと大きくしてく。そこで機械化するにしろ、人件費を払うにしてもどの程度の利益が見込めるのかを考えてから大きな投資をすることになります。
機械化や人を増やすことによってランニングコストが高くなり、その分利益率が変わらなければもっと計画を練る必要があると思います。ここでまた事業計画書の作成が必要になります。
儲かりそう、これなら安く作れそう。
その感覚も大切ですが、その先に成功があるのはしっかりとした計画があってこそです。というも、安く作ることができてもサービスに時間がかかったり手間がかかりすぎて一日の製造数に限りがあると、どんなに安く作ることができても多くの数を作れなければ利益も増えません。
小さく始めて細く長く続けていくために、ひとりまたは少人数で経営をしていくにはとても重要なことです。
お店をやるには場所が必要。場所を確保するにはお金が必要。そのためには銀行が納得してくれる事業計画書をつくること。
私自身、事業計画書を作るのにとても苦労しました。いくら自分で考えても分からないことが多くあったからです。完全に知識不足だったというのと周りに似たようなことをしているお店がなかったからです。
もし、お菓子屋さんが地域にあったら話を聞けたかもしれませんが、なかったので根拠を聞かれたときに困りました。
だから今回少し恥ずかしいですが、失敗した事業計画書も含めて紹介させて頂きました。
これから一人で小さくお店を始めようとしている方で、事業計画書を作るのに困っている方への参考に少しでもなれば嬉しいです。